「Low energy availability(利用可能エネルギー不足)」
「無月経」
「骨粗鬆症」
これらが女性アスリートの三主徴と呼ばれています。
特にジュニア期の指導者、選手は意識すべてきであるこの問題について今回は取り上げていきます。
【はじめに】
その歴史として、1980年代に女性アスリートにおける、無月経を伴う骨密度の低下と骨粗鬆症、引き続いて生じる疲労骨折が注目されました。
そして、1997年米国スポーツ医学会(ASCM)より「女性アスリートの三主徴(frmale athlete triad)」として示されました。
2013年日本産科婦人科学会などによる女子大学生を対象とした調査結果が以下のように報告されています。
〈無月経の割合〉
1.持久系競技 21.7%
2.審美系競技 12.2%
3.冬季個人競技 8.3%
〈疲労骨折の既往〉
1.持久系競技 49.1%
2.瞬発系競技 27.9%
3.審美系競技 22.8%
以上より、日本においても三主徴に陥ったアスリートが多く存在することが示唆されるとしています。
【三主徴のリスク因子】
①摂食障害
②BMI 17.5kg/㎡未満、標準体重の85%未満、1ヶ月で10%以上の体重減少
③初経発来16歳以降(※通常平均12.4歳)
④最近12ヶ月で月経6回未満
⑤2回の疲労骨折または低外力による骨折
⑥過去1年以内の骨密度がZスコア-2.0以下
【三主徴に対する治療】
利用可能エネルギー不足からの脱却を図ることが基本
・トレーニング量の軽減
・栄養管理
結果として体重増加を図った上で、月経再開、ついで骨密度上昇を待ちます。
これらの対策に取り組んでも疲労骨折を生じる場合には、薬物療法を行なうこともあります。
【最後に】
利用可能エネルギー不足のアスリートは、筋肉や骨のトラブルだけではなく、ホルモンや内臓の働き、神経系、精神面のいずれにおいても機能低下がおきているとされ、女性のみならず男性アスリートにおいても重要な問題とみなされています。
将来にわたる良好なスポーツパフォーマンス発揮のためには利用可能エネルギー不足はリスクにしかならないことを、特にジュニア期の指導者、選手は意識すべてきである、と結論づけています。
女性アスリートの三主徴と骨
難波 聡.臨床スポーツ医学.Vol36.No.12(2019-12)
長野県長野市南長池761-5
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