四十肩・五十肩
更新日時:2024/08/20
四十肩・五十肩とは?
図1:五十肩に含まれる疾患
(引用:五十肩と凍結肩の違いは? 整形外科看護.2020 vol.25 no.3)
四十肩・五十肩とは、「中高年以降に生じる疼痛と運動制限を主徴とする肩関節疾患すべて」とされ、肩関節の周辺で起こる炎症性疾患をすべて含めた非常に広い範囲の疾患概念となっています。図1のように腱板損傷、凍結肩、石灰性腱板炎や変形性肩関節症などもこれにすべて含まれます。
実際の治療では、四十肩・五十肩のなかに含まれているさまざまな疾患を見つけ出し、個々の病態に応じた治療をすることが必要です。
これらの疾患は、整形外科で行われるレントゲン検査だけでは詳細に評価できません。
こやま整骨院では、超音波検査装置(エコー)を用いて評価することで、肩関節の状態に合わせた施術を行うことが可能です。
四十肩・五十肩の症状
☑ バンザイが痛くて上がらない
☑ ポケットのものを取ろうとすると痛い
☑ エプロンの紐が痛みがあり結べない
☑ 就寝時に痛みで起きてしまう
☑ 痛い方の肩を下にして寝ると痛い
四十肩・五十肩の原因
詳しい原因については医学的にも十分にわかっていません。
全人口の2-5%がかかるとされており、特に40歳から60歳の女性に多いとされています。
加齢や日常生活レベルの動作で肩に小さなストレスが繰り返し加わることで発生すると考えられています。
基礎疾患として、糖尿病や甲状腺疾患を有している方は発生頻度が2~3倍に高まり、より治りづらいとされています。
四十肩・五十肩の治療法
リハビリテーション(運動療法)が基本となります。
病院で通常受けられる一般的な治療では湿布や痛み止めによる、いわゆる対症療法が主になることが多く、ただ時間が経過するのを待つという診療を受けることが多いです。
・リハビリテーション
肩痛を生じる原因には、下半身をはじめとする関節の硬さ、肩甲骨の可動性低下がベースにあることが多く、肩関節だけでなく肩甲胸郭関節などの柔軟性を高めるだけで、肩痛が改善する可能性があります。
図2が五十肩に対するリハビリテーションの流れです。
それぞれの時期に適切な治療を行うことで、早く回復期にもっていくことが可能です。
図2:凍結肩(狭義の五十肩)に対する治療の流れ (引用:五十肩と凍結肩の違いは? 整形外科看護.2020 vol.25 no.3)
・注射、投薬
病院では、ステロイド注射やハイドロリリースと呼ばれる注射療法が行われます。また、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの内服が処方されることがあります。
当院にご来院頂いた方で、注射や投薬の併用を希望される方には長野市内の整形外科を紹介させて頂きます。
・その他
リハビリテーションや薬物療法により十分な疼痛コントロールと可動域の改善が得られなかった場合、整形外科では神経根ブロック下マニピュレーション(サイレント・マニピュレーション)などの手術療法が考慮されます。
参考・引用文献一覧
1)五十肩と凍結肩の違いは? 整形外科看護.2020 vol.25 no.3
2)肩関節周囲炎.神戸克明.Loco cure,vol.9 no.4.2023
3)凍結肩の治療戦略.守重ら.Loco cure,vol.7 no.4.2021
執筆者 小山 晴樹
こやま整骨院・整体院 院長 (長野市南長池761-5)
柔道整復師免許を取得後、長野県長野市内のスポーツ整形外科にて診療補助・リハビリテーション業務に従事。オリンピック選手やプロ野球・プロサッカー選手などのリハビリテーションにも携わる。また、施設管理主任・部長として、施設運営のみならず講演会や研修会を企画運営した。
現在は、長野市南長池にて「こやま整骨院・整体院」の院長として臨床に携わる。