
猫背
更新日時:2025/03/18
なぜ猫背になるの?
猫背は、「身体的な問題」と「生活習慣の問題」の2つに分けられます。
身体的な問題としては、運動不足などで生じる姿勢を保つ筋肉が固くなり弱ったりした結果生じます。生活習慣の問題では、長時間のデスクワークやスマホやパソコンを長時間使用している、前屈みの姿勢で作業を行っているなど姿勢を支える筋肉に負担がかかって生じることが考えられます。
そうした結果、見た目の変化だけではなく、頭痛や肩こり、腰痛など様々な症状を出すことがあります。
尚、猫背には先天性や症候性、加齢による変性など、さまざまな年齢層にさまざまな病態が存在するため、急激な姿勢変化や不調を伴う場合には、医療機関で診てもらうのが良いでしょう。
猫背が引き起こす身体のトラブル
☑ 首から肩に疲労感や痛みがある
☑ ひどくなると頭痛やめまいを感じる
☑ 膝痛・腰痛
☑ 呼吸が浅くなる(呼吸機能障害)
☑ 胃の調子が悪い(胃食道逆流性)
☑ 睡眠の質が悪い
☑ 精神障害

猫背の治療法
猫背の原因は、年代や生活環境、一人ひとりの動作のクセなどにより様々です。
また、猫背の影響によりどのような身体のトラブルが生じるかも人によって異なります。
当院では、お一人お一人の身体の状態やご希望に合わせて施術を行います。
□徒手療法
姿勢や歩行評価、身体の柔軟性・筋力評価などから一人ひとりの猫背の原因を探っていきます。
徒手療法では、痛みのある部位のマッサージに加え、固くなった関節や筋肉に対しストレッチを行うことで動きやすい身体を作ります。
□運動療法
徒手療法やストレッチなどで動きを広げた状態で、正しい動きを習得するための運動療法を行います。
何かをかばって動いた結果、悪いクセが身体や頭に無意識に刷り込まれています。それらを修正し、正しい動きを習得、そして無意識下でも正しい動きができる状態を目的としています。
猫背に対して、背骨の運動はもちろんのこと、人によっては足や股関節、体幹などの運動を行うことで改善する場合があります。
当院では、一人ひとりの状態に合わせて、対症療法のみならず、将来にわたって健康が維持できるように取り組んでいます。
□環境の調整
①椅子や机の調整
パソコンやスマホを操作する際に、作業環境を調整することで姿勢改善に繋がります。
ポイントとしては、両足裏全体をしっかりと地面につける椅子の高さにすること。骨盤を起こして背筋を伸ばした状態で、キーボード操作やモニターの閲覧ができるように椅子や机の高さを調整することが推奨されています。
また、長時間の作業は身体に負担をかけるため30分に1度は小休憩すると良いと言われています。
②矯正視力の確認
特に、近視や乱視の方の場合、画面の見えづらさから姿勢を猫背にしてモニターを覗き込むようにして作業してしまうことがあります。
コンタクトレンズやメガネの矯正視力が合っていないと感じる方は、一度眼科や専門店に相談すると良いでしょう。
簡単!猫背体操①肩まわし
※必ずしも全員に効果を保証するものではありません。痛みのないようにお試しください。
簡単!猫背体操②腰ストレッチ
※必ずしも全員に効果を保証するものではありません。痛みのないようにお試しください。
参考・引用文献一覧
1)八木清:加齢と円背姿勢のメカニズム - 器質的後弯と機能的後弯.臨床スポーツ医学.2024
2)小澤浩司:高齢者の脊柱バランス異常と保存療法 - 脊柱後弯症を中心に -.Loco CURE 6(2): 132-137, 2020.

執筆者 小山 晴樹
こやま整骨院・整体院 院長 (長野市南長池761-5)
柔道整復師免許を取得後、長野県長野市内のスポーツ整形外科にて診療補助・リハビリテーション業務に従事。オリンピック選手やプロ野球・プロサッカー選手などのリハビリテーションにも携わる。また、施設管理主任・部長として、施設運営のみならず講演会や研修会を企画運営した。
現在は、長野市南長池にて「こやま整骨院・整体院」の院長として臨床に携わる。